米沢住YONEZAWA-JYU

「今、米沢が熱くて面白いんです!」
移住者と地域をつなぐ、移住の現地ガイド。

暮らしのーと
「今、米沢が熱くて面白いんです!」<br />
移住者と地域をつなぐ、移住の現地ガイド。
12.
Taniyama Norika

谷山 紀佳 さん

谷山 紀佳 さん
千葉県 松戸市出身

編集長(地域振興課課長):今回は「暮らしのーと」の番外編として、米沢市役所の移住相談チームのメンバーを紹介したいと思います。移住相談をする方にとっても、「行政」という顔の見えない存在とのやり取りでは、どうしても距離を感じてしまうこともあるかもしれません。だからこそ、担当者の顔が見え、「この人になら人生相談をしてみたいな」と思っていただけるような関係を築いていきたいと考えています。今回は、谷山さんに、米沢での暮らしや移住の現地ガイドとしての意気込みを伺いました。

[自己紹介] 谷山 紀佳
千葉県松戸市出身。千葉県で22年間育ち、福岡と香川での生活を1年間経て、米沢に2022年に移住。地域おこし協力隊として、移住の現地ガイドを行う。「おためし暮らし体験」のコーディネートや、先輩移住者のインタビュー記事の制作も行う。プライベートでは、移住仲間のもとに遊びに行ったり、民間側からも米沢のまちを盛り上げる活動に携わる。

「なんか最近の米沢ってワクワクするよね」米沢の街を盛り上げる方々と一緒に働きたいと思い、移住。

― 谷山さんは千葉県ご出身ですが、なぜ米沢に移住したのですか?

谷山:米沢に移住する前は、福岡で1年間まちづくりに携わる企業で働いていましたが、前職のご縁で米沢に移住した知人から「市役所で移住の現地ガイドを募集している」と偶然声をかけていただいたことがきっかけです。ちょうど転職を考えていた時期だったので、「これも何かのご縁かもしれない」と思い、米沢を訪れることにしました。

― 移住の決め手は何だったのでしょうか?

谷山:一週間の滞在中、街を盛り上げようと熱心に活動する方々に出会い、その熱意に心を動かされました。「この街の未来をもっと見てみたい」「自分も一緒に力を尽くしたい」という思いが湧き上がり、それが移住を決めた大きな理由です。

― 谷山さんが感じた米沢の人々の熱意とは、具体的にどのような出会いがあったのでしょうか?

谷山:一週間の滞在中、コロナ禍を契機に数年前にUターンし、家業を継ぎながら米沢の発展に本気で取り組んでいる経営者の方々や、移住して美味しいりんご作りに挑戦されている農家の方、それから後に私の上司となる情熱的な公務員の方と出会いました。皆さんそれぞれの立場で課題に真摯に向き合いながら、未来に向けて前向きに行動されている姿は本当に印象的で、私もここで頑張りたいと強く思いました。

移住してりんご作りに挑戦している農家の岡さん

エネルギー溢れる人々が身近にいる暮らし。近所が面白いという幸せ。

― 米沢に移住して3年目となる谷山さん。移住後の暮らしはいかがですか?

谷山:移住前には想像もしなかったほど、次々と個性豊かな方々と出会い、日々楽しく充実した生活を送っています。特に、人としてこの方の価値観が好きだなぁと思う方々との出会いが印象的です。例えば、東京から米沢の里山に移住された黒田三佳さんという方がいらっしゃいます。ご自身で家や庭をリノベーションし、ピザ窯を作ったりハーブ畑を整備して暮らしているのですが、「何もないからこそ、自分で作るのが面白いよね」とお話しされていました。この言葉を聞いて、地方では東京のようにお金を払って楽しませてもらう機会は少ないものの、自らの工夫で余白を活かし、新たな遊びを生み出す面白さがあることに気づかされました。米沢は人口8万人弱の適度な規模感からか、千葉に住んでいた頃には出会う機会がなかったような、幅広い年齢層や職業の方々とも気軽にお会いできることも面白さだと感じています。こうした出会いを通じて、人生において大切な気づきを日々得られていることが、私にとって米沢での暮らしの魅力そのものです。

東京からの移住者:里山ソムリエ黒田三佳さん
同世代の移住仲間:大好きな友人たちです

谷山:また、自分たちの身近な方々の働きかけによって街が変化し、より魅力的になっていくことを、ダイレクトに実感できることも、米沢の面白さのひとつです。

― 最近では、どのような取り組みが印象的でしたか?

谷山:特に感動したのは、米沢市の青年経済3団体が立ち上げた「日本唯一の戦国花火大会」です。毎年恒例だった夏の花火大会がコロナ禍などで中止となりかけた中、「子どもたちに花火の風景を残したい」という多くの市民の方々の想いから立ち上げられた取り組みでした。

私も移住仲間の友人と観客として足を運びましたが、秋の澄んだ空気の中で行われた「戦国」をテーマにした約8000発の花火と、内閣総理大臣賞受賞の花火師による圧巻の演出に心を奪われました。帰り道では自然と「なんだか最近の米沢って、ワクワクするよね」と口にしてしまうほどでした。こうした前向きな気運が感じられる地方の暮らしは、本当に魅力的だと思います。

2024年10月12日に開催された「よねざわ戦国花火大会」の模様

「人生を変える出会いがあるかも?」
おためし移住体験の現地ガイド。

― 先ほどから「出会い」という言葉が頻繁に出てきますね。谷山さんにとって、出会いが人生を豊かにしているのかもしれませんね。

谷山:確かにそう感じます。私自身、人との出会いや活動を通じて新しいキャリアが見つかったり、自分の価値観が育まれてきました。偶発的な出会いによって、想像していなかった人生を歩んでいることに感謝しています。移住を検討されている方にとっても、米沢の人々との出会いが人生を豊かにする1つの機会になればと願っています。

― おためし移住体験では、どのような役割を担っているのですか?

谷山:地方暮らしを考えている方に向けて、オーダーメイドの移住視察プログラムを担当しています。地域の人々との交流を通じて、新しい視点や判断材料を得られるよう、少しでもお手伝いができればと思っています。

― どんな方が参加されていますか?

谷山:最近では、「子育て中の先輩移住者の話を聞きたい」「雪国の暮らしを体験したい」「農業に挑戦したい」という方がご参加されました。事前に30分間じっくり電話でヒアリングさせていただき、「この人にお会いできたら面白そうかもしれない、この事を体験できたら解像度が上がるかもしれない」と、それぞれに合わせた提案を心がけています。

おためし暮らし体験プログラム

南波:私は今年の4月から谷山ちゃんと移住の仕事をしています。米沢市役所に勤めて20年近く経ちますが、谷山ちゃんフィルターを通して米沢を見ると改めていいとこなんだなと気付かされます。移住を検討されている方にとって、おためし移住体験を通じて、自分一人では気づけなかったり、アクセスできなかった人や事に出会い、お互いの波長がもし合ったら「またね!」と言い合える関係を築いていただけたら嬉しく思っています。

谷山:すべての方と波長が合うとは限りませんが、実際にご縁が繋がった方から「米沢に友人ができた気持ちです。素敵なご縁をありがとうございました」や「人生を考えるきっかけになりました」「人生の師と呼びたい方々に出会えました」「移住後も、あの時繋げていただいた方と今でも仲良くしています。本当に感謝しています」といったお言葉をいただけると、大変嬉しく思います。

― これからの目標は?

谷山:米沢で懸命に取り組んでいる人々を応援したいと思ってくださる仲間を全国に広げていきたいです。世界からも評価いただくような美味しいものや洗練されたものを生み出している方々、地域の文化を経済的価値に変えようと挑戦している方々、そして子どもたちに明るい未来を残そうと尽力されている方々。そうした情熱を持った人々と多くの方が出会い、共感し合える機会をつくりたいと考えています。また、出会いを通じて、米沢で共に楽しい暮らしや仕事を作り上げていける仲間とつながり、関係を築いていきたいと考えています。


— 編集後記(2024年_冬更新) ―
ー取材時から1年が経ちましたね。この1年間、振り返っていかがでしたか?

谷山:この1年は、米沢の魅力的な人々と移住希望者をつなぐ活動を通じて、米沢に愛着を持つ方が増えていると実感できた年でした。私自身が米沢に住みたいと思った理由は、「面白そうだから」。この経験をもとに、「米沢で暮らすのが楽しそう」と思ってもらえるきっかけを作るため、さまざまなコミュニケーション方法を模索してきました。その一環として、私たち自身の想いを直接発信するWEBメディア「米沢住」の運営に挑戦したり、これまで100人以上の地域の方々に移住相談へご協力いただいたりしながら、移住希望者とのつながりを広げてきました。活動を通じて、「米沢を応援したい」「素敵な人たちに出会えて勇気をもらえた」といった声をいただけるようになり、私にとっても大きな励みになっています。

編集長(地域振興課 課長)より
編集長:本当に、谷山さんが移住チームに加わってから、「米沢がいい」と感じてくださる方が増えたと実感しています。自治体として移住促進に取り組むのは全国どこでも行われていることであり、豊かな自然や美味しい食事、あたたかい人々が魅力の地域は数多くあります。その中で米沢に興味を持っていただくためには何が必要かを考えるのは、正直簡単なことではありません。だからこそ、私たち自身が何を伝えられるかが重要だと考えています。
その一環として、自分たちでWEBメディアを運営するという挑戦を始めました。これは米沢市にとっても珍しい取り組みです。他の自治体が外部の企業に記事制作を依頼する中、私たちは自分たちで取材し、自分たちの言葉で想いを伝えることに取り組んでいます。
また、谷山さんがチームに加わったことで、地域の方々との協力体制が一気に進みました。行政と地域で協力関係を築くことは、決して簡単なことではありません。しかし、谷山さんがプライベートでも地域に積極的に関わり、信頼関係を築いていく姿勢は、地域と行政との距離感を一気に縮めてくれました。その姿には、私たちも希望を感じています。まだまだ試行錯誤の段階ではありますが、移住促進もWEBメディアの運用も、引き続き力を合わせて進めていきます。これからも温かく見守っていただければ嬉しいです。

暮らしのーとは、米沢のいろんな暮らしを集めています。あなたの叶えたい暮らし、理想の米沢ライフについて、ぜひ米沢市の移住相談窓口まで教えてください!もしかすると、直接もっと深い話を聞いたり、新たな出会いにつながるかも。

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